「お花茶屋のイントネーションって...」なんて会話を思い出しながら散歩をした.
もう降りることがないかもしれない駅から,もう降りることないであろう駅まで散歩をした.
音楽を聴きながら歩くのは辞めた.
喧嘩をしているときの,ふざけているときの,風邪をひいたときのボイスメッセージを聴きながら歩いた.
不思議と独りじゃない気がして,不快な蒸し暑さも忘れられた.
駅へ着くと涙が出てきた.
初めて会った日,初めて駅まで送った日,初めてデートした日のことが鮮明に思い出された.
改札を抜ける頃には「また降りたい駅」になっていた.