どこまでも滑らかに新しい年を迎えた.
ご先祖様の発明した「時間」というものは優秀で,どこまでも滑らかに連続していくものに抑揚を付けてくれる.
人々は抑揚で己を律して生きるらしい.なるほどな,よくできてる.
ありがちな話だけど,良い話と悪い話が一つずつある.
悪い話は母親が再度入院することになったこと.面会は全面的に禁止らしい,感染症が憎い.次に会えるのはいつになるだろうか.
良い話は君から連絡が来たこと.胸の拍動が分かるくらいに驚いて,一晩置いて夢ではないことを確認してから開いたくらいには嬉しかった.まさかこの怠惰な生活と自分の記憶の補綴のために書かれたパッチワークみたいな駄文が人の目に触れているなんて.
誰かに読まれていると思うと見栄を張りたくなってしまうし,あまり暗い話は書けないなとも思ってしまうけど,聞かなかったことにして今年も日常の延長を書き連ねていきたい.
どうか恙無く過ごしてほしい.
うつとエトセトラ
双極性障害やうつと付き合ってきて分かったことがあるので箇条でまとめる
■できる範囲で気を配ること
・日光を浴びる(セロトニン不足に陥らないように)
-できれば日光浴が望ましいけれど,寝起きに少しカーテンを開けるだけでも気分が晴やかになると思う
・就寝時の消灯
-ある程度の好みはあるけれど疲れが取れないので僕はアイマスクをつけて寝るようにしている
-一時期耳栓も使っていたけれど無音は僕には向いていなかった
・食事のバランスを整える
-あすけんを使うと不足している栄養素が分かって良い
-就寝前と起床後に水を飲む(僕は肌の状態の維持と高血圧や尿路結石予防にやっている)
・適度な運動(散歩や入浴後の軽いストレッチなど)
-この季節は身体を冷やさないように入浴後は控えたほうが良いかもしれない
-陰鬱なとき以外に瞑想をするのも,精神衛生上良い気がする
・感情の起伏を滑らかにする
-精神的な負荷が小さくなるように感じる
-感受性は千差万別だけれど急激な変化を避けることにも効果はありそう
■うつになってしまったときに
・うつになってしまうと上記のことに気を配れないので,感情を揺さぶられるものを遠ざける
・デジタルデトックス
-大量の情報に触れることを避けると外の因子に気分を左右されることが減る気がするけれど,ストレッサーに囚われてしまうなら敢えて大量の情報に身を任せるのも良いかもしれない(わからない)
-僕は読書や勉強の記録と脱スマホを兼ねてForestというアプリを使い始めた.かわいい森が育てるのが楽しい.
・カーテンを開ける
-無理に散歩や日光浴をしなくても気分が晴れるような気がする
■うつや気分障害から自律神経失調になってしまったときに
以前に自律神経失調で病院にかかったとき,気持ちに余裕があるなら日光浴(セロトニンの不足を避ける)や半身浴(血行を良くして体温を正常に),それに(当然ではあるけど)ストレッサーをさけることなどが良いと言われた.
うつ病に対してはSSRIなどがあるけれど,自律神経失調の治療薬や即効性のある治療法はないらしい.
自分の意識や感情とうまく付き合っていきたいな
一月三日のメモ
2021というのは一見素数にみえるが,実は 43×47 に分解できてしまう.
弟に「成人してから素数で一喜一憂してみせるのはチープなユーモアだ」みたいなニュアンスのことを言われたことがあったけれど,それが単独で存在しているものなのか何かを組み合わせて成立しているものなのかには大きな差があるように思えてやめようにもやめられない.
書きながら「想い出は破壊せずに分解しよう.なぜ分解なのかって?また誰かの手で組み立てることができるから」みたいな話を思い出した.これはあまり関係がないな.
無事に家族が誰一人欠けることなく新たな年を迎えることができた.
感染症が流行していようがいまいが元日というのは怠惰なもので,良くも悪くも特別なものではなかった.
ここ最近(一ヶ月くらい)は夢をあまりみなくなっていたけれど,二日の朝に見慣れた夢をみた.
一富士二鷹三茄子と四扇五煙草六座頭に続く七番目が君,縁起が良い.
一月四日のメモ
いくつか本が届いた.100文字SF,持続性の本質,昔話のコスモロジーetc.
実はもう既に100文字SFは読み終わっている.1ツイートよりも短いじゃないかと思った直感は間違っておらず,著者がTwitterで書き連ねたものから厳選して本にしたらしい.マイクロノベルというジャンルは耳にしたことがあったものの,140文字で含みをもたせたり余韻に浸らせるような文章なんて書けないのではないかと穿った見方をしていた僕の考えをものの数十分で改めさせる力があった.
【ほぼ百字小説】(131) 急坂にある商店街だ。商店街全体が少しずつずり落ちていくから、いちばん上には空き地ができる。そこに新しい店が入る。坂を下れば下るほど左右の店舗は古くなる。いちばん下がどうなっているのかは、誰も知らない。
— 北野勇作 『100文字SF』発売中! (@yuusakukitano) December 23, 2015
【ほぼ百字小説】(1173) 再生を行うたびに傷がついて劣化していく記憶媒体と変質せずに再生が可能な媒体。自らが傷つくことなく再生することはできない、だからこそ素晴らしい、とする説もあって、その検証のため試作されたのが人間である。
— 北野勇作 『100文字SF』発売中! (@yuusakukitano) January 14, 2018
1ページにほぼ100文字の作品がぽつんぽつんと載っているだけなのに,話に奥行きがあって情景をイメージしたくなる構造で,読み終わってからしばらくそのページに滞在していたくなる感覚.凄いなあ.
今年の抱負を掲げる,というと少し荷が重いので大まかな方針を決めたい.
まずは本に関して.まずは積まないこと,それとメモはしっかりと取ること.
次に暮らしに関して.人に(特に母親に)優しくしたい.運動する習慣をつけたい.料理が上手くなりたい.人生の方向性を定めたい.
とりあえずそんなところ.
一月六日のメモ
今日は母の入院に必要なものの買い出しと,弟の買い物に付き添ったくらい.
本当に書くべき話は冒頭でほとんど書いてしまっていて,これ以上付け足しても冗長になってしまう気がする.
メッセージへの返信はするべきかしないべきかついさっきまで悩んでしないことにした.
表現できないくらいに嬉しかったこと,どうにか伝わってほしい.